「やっと高知大講義録(2018年6月20日) その1」はこちら!


っていうのも、僕この話毎年言ってるんですけど、そしたら……えっと「好きなことわからん」って言う人いますか?お、今年はいない。

毎年いたんですよ、「好きってなにかわからないです」とか、「好きなことって何かわからないです」っていう子がけっこう多くて。今日のみんなは好きなことがあるってことなんで、特に言うことはないんですけど。

こういう色んな方法があるし、それこそ学内にWi-Fiが飛んでて、いつでもスマホで調べられる時代なんやから、それをどうにかお金にできないかな、仕事にできないかな、もうやってる人いないかな、やってる人がいたらその人はどんな人なんだろうなとか、そういうのを考える頭をぜひ持って欲しい。

確かに安定も大事なんですけど、でも今人生100年時代って言われてるんですよ。寿命も上がっていくし、健康寿命も上がっていく。人生100年時代にみんなが100年生きたとして、どんな時代が来るのかっていうと、けっこうこれが恐ろしい話になります。

今、もらっている人だと月20万とかっていう年金をもらって生活をしている人がいます。その年金って僕たち働いている世代が払った税金でまかなっているわけです。

よく言うじゃないですか、年金が足りなくなるとか、制度が崩壊するとか。そうやって言うけど、じゃあ維持しようと思ったらどうしないといけないかというと、どうなるか。

100年生きるわけですから65歳から年金をもらい始めた人が100歳まで年金を延々もらい続けるってことですよ。年間100万円もらったとしても、3500万円コイツら持っていくわけですよ。コイツら言うたらあかんけど(笑)。

それを現役世代のお金で賄わないといけないとなると、なんぼなんでも足りへんなっていうのが現状なんです。少子高齢化で働く世代が少なくなっている段階だから。じゃあ何をするか。

今、年金をもらえる年齢は65歳ですが、もともとは60歳だったんです。こうやって受給年齢を引き上げていくわけです。そしてこの年齢を、今80歳とかにあげようっていう話になっています。

……ゾッとしません?22歳から働き始めて60でもしんどかったのに。60まで働いて「やったー、年金生活やー!」言うてたのに。それが65まで伸びて「え~!」って言うてんのに。これがさらに15年のびるとかって世界なんですよ、今は。

ってことは、22歳から80歳まで58年、働き続けなきゃいけない。それがつまらん人生やったら最悪の人生でしょ。1日8時間働くとして、1日の3分の1。つまりこの58年のざっくり3分の1は全部イヤイヤの人生なんですよ。もう途中で死にたいと思うのが普通ですよね。

でも僕たちの世代って栄養もたくさんとれてるし、病院に行ったら治療もしてもらえるし、保険料も払っているから安くで治療してもらえる。生きちゃうんですよね、100年。

僕のじいちゃんでも84まで四日市ぜんそくの罹患者にも関わらず生きた。余裕でしょ、僕たちが100歳まで生きるのはって思うでしょ。となると58年働くって言うのも現実的な話になるわけです。

すると、80歳から20年間年金をもらって生きていくっていうのが、ここから先の人生のプランになっていく。ということは、やっぱり楽しい仕事でお金稼がないと人生いきてけないですよね。そういう時代になるんです。

だからこういう好きなこととか、自分が楽しいと思える、お金を稼ぐ、安定が大事とかっていうよりも、自分が楽しいと思えるものを仕事にするっていう発想をみんなにはぜひ持って欲しいです。はい。

長くなりましたが、大丈夫ですか。他に質問はありますか。
あと10分ほどですが。

生徒:先ほどランサーズで仕事されているというお話をされていましたが、それ以外で実際に編集者に自分を売り込みに行ったりってするんですか。

鈴木:僕は「僕を使ってください!」と言いに行ったことは今まで一度もないんです。ランサーズでも、実績っていうのがあって。

ヤフオクとか通販サイトとかでクチコミ件数とかって出るじゃないですか。それみたいな感じで、プロフィールの顔写真とかがあったら、この辺りに実績の数が出るんです。僕は報酬金額もそのまま載せてるんですけど。

この人はクライアントからどれだけの数の仕事を受けていて、そのクライアントから星何個の評価を受けていて、で星何個のところをクリックすると、どんな仕事をするのかとかを具体的に書いてくれるんですよ。

そういうのを見たら「あ、この人ちょっと任せてみようかな」って仕事をくれる人が出てくる。するとまた実績の数が増えていく。

そしたら実績が200とか300とかになると、難しい仕事だけどそのぶん報酬も高いクライアントが僕に声をかけてくれるようになるわけです。で、その仕事を受けたらまた上がっていくという感じです。

今実際に仕事にしてるところが4社くらいあるんですけど、全部向こうさんから声をかけていただいたクライアントになります。それは本当にありがたいことで、僕はとにかく営業が苦手なので、本当にありがたいです……。

生徒:うつ病っていうお話が出たんですけども、差し障りがなければそこの話を詳しく聞かせていただければと思います。

鈴木:大人ですね。差し障りがなければなんて日本語を18歳で知っているんですね。えっと、どういう話が聞きたいですか(笑)。

生徒:ブックオフで働いていたという話だったので、それと関係があるのかとか。
鈴木:なるほどね。仕事は全く関係なかったです。プライベートの方でよろしくないことが起きて……。仕事自体はものすごく楽しかったです。きつかったですけど、それこそ好きな仕事だったんで。

ネットとかではブラックだとかなんとか情報が流れていると思うんですけど、勘違いして欲しくないのは、ブラック企業で働いている人たちが毎日最高に楽しいのなら、それはブラックじゃないですからね。

「別に給料なんかいらん!この仕事最高に楽しいわ!」って言ってる人たちのところに「お前らブラック企業や、いますぐやめろ!」って言うのは、完全な大きなお世話なんですよ。

僕は最近になってようやく気づいたんですけど、当時のブックオフって働き方としてはハードな会社で、僕が9時に出社して、22時とか23時とかに帰る生活が当たり前でした。

1年目からまず仕事を何も知らないから必死に覚えて、そのあと早い段階でバイトの教育を任せられる。教育ができるようになったらその人数が1人2人と増えてきて、最初は仕事の内容を教えてたところを、その子の1年後2年後を考えて教育プランを練ってとか、それができるようになったら次は数字の管理をやらせてもらって。

1年勤めてなかったけど、その中でもいろいろやらせてもらって。僕はそれ自体はすごく楽しかったです。別の県に出張に行ってヘルプしたりとか、そういうのもけっこう楽しくて。

仕事自体はすごく楽しかったんですけど、プライベートの方でちょっとうまいこといかないことがあって、でもうつ病になりながらも働いてたんですよ。僕自身、悪い意味でも真面目なので、社会のレールから外れるのがすごい怖かったんですよ。

会社に入って、会社で働いて、給料をもらうっていうライフスタイルが全てだと思っていたので。でもこうやって鬱病患って、悶々として、自分にできること、得意なことってなんやろうって考えた時に思いついたことがありました。

僕、これ黒歴史でもあるんですけど、ポエムとか中学校の時とか書いてたタイプの中学生で、大学入ってからは、もうみんな使ってないと思うんですけど、僕たちの世代はmixiがすごく流行っていて、知らない人もいるかもしれないんですけど。

普通mixiって「今日は楽しかったえへへ」って書くようなところなんですけど、僕は延々哲学の本の紹介とかしてたんですよ。みんなが300字くらいで終わってるようなところを1000字とか2000字とか書くようなちょっと迷惑なユーザーだったんです。

特に何も意識することなくそういうことが書けてたので、うつ病の時に「これならできるかな」と思ってやってみたら、たまたま仕事になったという感じです。

好きなことってなかなか自覚をするのが難しいと思っていて。好きって思ってないことが実は好きだったりするよなあって僕は思ってるんです。じゃあなんでわからないのかっていうと、息をするようにしているからなんですよ。

毎日何も気にせずめちゃめちゃ綺麗に食器を磨いてるとか、あとは僕の場合やったら誰に頼まれもせずにややこしい文章を書いているとか。

でもそれって本人は文章を書いて何か伝えたいことがあるだけなんですけど、そもそもそれを文章にしようって言うて、文章を書き続けられるのって、万人にできることじゃないなってことを最近自覚できるようになったんです。好きだから書ける。書くこと自体が好きだからかけるんだと思うんですよね。

けっこうそういう息をするようにできるようなことに注目してみるのが、一番仕事になる好きの見つけ方なのかなあと思っています。

よくあるじゃないですか、好きなことを仕事にしたら「好きなことでも毎日やるのはしんどいで」ってみんな言うんですよ。でもほんまに好きやったら毎日できる。

そうやってほんまに好きなものを何か一つでも見つけたら、仕事になると思うんですよね。それできるのはその人しかいないから。

そこに例えば最近専門分野になりつつあるのが、リサイクル事業とか不用品回収業者とかの法律の紹介とかも今してるんですけど、そういう専門分野がついてくると強くなる。

例えば音楽鑑賞が大好きで、めちゃくちゃ突き詰めてやっていたらロックもできますけど、ジャズもわかります。アニソンもわかりますってなってくると、これ全部混ざったアーティストが出てきたときにその凄さを理解できるのはその人だけになるじゃないですか。

そうやって差別化していくと、その人にしかできないこと、書けないこと、言えないことが出てくるので、それが価値になる。希少性は価値になるので。

そしたらそれが金儲けに…金儲けというと言い方が汚いかもしれないですけど、仕事になるんですよ。そういう情報とかアーティストを知りたいと思っている人は、その人の発信する情報をお金を出して書いますよね。そしたらそれが仕事になっていくんですよ。

もしかしたらそのアーティストからマネージャーになってくださいとか、広報担当になってくださいとかってくるかもしれないし。そうやって自分の好きなことが仕事になっていくんだと思います。

質問と随分ずれましたが。

田鎖先生:なかなか刺激的な貴重なお話が続いていて、多分これはあれですね、本当は45分じゃ足りないですね。

鈴木:いつもは1時間1人で喋ってましたからね(笑)。

田鎖先生:ちょっと時間が足りない。本当はもっと聞きたいこともあったろうし、喋りたいこともあったと思います。ちょっとその辺があれかもしれませんが、ひとまず一旦ここで、切りたいと思います。

質問者のみなさんも的確な質問で面白かったです。ありがとう。

そしたらこれからは5グループに分けるので、鈴木さんにそのグループの中に入って行ってもらって、というふうにやろうと思ってたんですけど……。

鈴木:あー、どうしましょうね。去年見てたんですけど、質問をしてるところの子たちは話せるんですけど、それ以外の人たちクッソ暇ですもんね。

田鎖先生:その間一応感想を書いているんですよ。けどまあやり方は、担当講師の方の裁量に任せようと思っていますので、なんだったらグループ作らずに自由に質問するようにしましょうかね。

鈴木:そうですね。まあでなかったらレジュメで用意してきた話をします。

(田鎖先生が感想用の紙を配る)

その間にちょっと「安定」の話をしようかなと思います。

田鎖先生からお聞きしたところによると、最近の若い子たちは安定を大事にしていて、「まあ確かに大事だけども」みたいな話を昨日居酒屋でしてたんですけど。

あの、「安定」って今の時代ないですからね。大企業はいっても大企業が潰れることもあれば、要らん人材として切られることもある時代です。

だから安定を求めること自体が不安定だという人もいます。不安定なまま常に自分でやりたいこととかできることを掴み取っていかないと、結局のところ安定しないという話は最近ビジネス本界隈ではよく言われています。

安定そのものを疑う脳みそを、みなさんには大学4年間で養っていただければと思います。

田鎖先生:それでは今から質問を自由にしてください。いなければ僕の方から当てることも考えます。何か質問ある人いますか?

あ、はい!

生徒:卒業論文で江戸川乱歩について研究したとお聞きしましたが、調べる内容については文献等、参考資料等色々あると思いますが、どういった調査のされかたをしたんでしょうか?

こういったやり方があったとか、参考になったとかはありますか?

鈴木:僕はけっこう、田鎖ゼミにいながら田鎖先生のやり方を踏襲しない困った生徒だったんですが、田鎖先生とかはすごい文献から組み立てていくのがセオリーですよね。

でも僕は「こうだったらいいな」から組み立てるタイプで。僕がさっき話した卒論の内容は、おそらく科学的に証明されたとは言い難いんですよ。

でも乱歩のやる気のなくなったのが、日本の文化の変動とリンクしてたらいいなという希望をもとに資料を探していくっていうのをやってましたね。それだとけっこう楽しいので。

ただその方法の一番の問題点は、自分の「こうだったらいいな」の仮説と逆の情報を僕たち人間の思考とか視野っていうのは排除する癖があるので、本当にそうなのかって疑う癖を持たないと本当に正しい論文はできないです。

なので、僕の論文はあんまり正しくできてないです(笑)。

でも書くのがすごく楽しかったので、それが一番かなと思っています。卒業論文の場合は。修士とか博士になると話は別ですけど。

という感じでやってました。

田鎖先生:他にもありますか?
遠慮せずに。

鈴木:仕事の話とかではなくても「大学時代どんな酒飲んでましたか」とかでもいいですよ。あ、まだ飲んだらあかんのか、ほんまは。

生徒:レジュメの中から質問なんですが、大学の勉強は考える力と問う力を鍛えるというところを、詳しく聞きたいです。

鈴木:僕と皆さんって学習指導要領が違うので、みなさんがどんな勉強をしてきたかって知らないんですけど、僕はゆとり世代なので。

ただ、少なくとも僕が勉強してきた高校までの勉強って必ず答えがあったんですね。丸がつけられる答えがあった。それがないと学校の先生が採点できませんからね。

一方で、大学の勉強って答えがないものが多いんですよ。それこそ世界が平和になるためにはどうしたらいいかなんて問いに、本来答えは出ないはずなんです。

でも、それについて一応の答えを出している人が例えば哲学者とか思想家にはいて、でもその人たちの答えが正解なのかっていうとそうじゃないわけです。そうじゃないから新しい答えが出てくるわけで。じゃあ自分がその新しい答えを作る側にもなれるわけですよね。

「この人がこうやって言ってるのはなんでなんだろう。でもここってこの部分ってちょっとおかしくない」とかって考える。

例えばこないだ僕自身もショックを受けたんですけど、今の日本ってお金持ちから税金を徴収する国なんですよ。いくらやったかな、1000万以上稼ぐと40%とかって所得税が取られる制度なんですけど、僕はそんなに取られない人間なので、「稼がんかったらええやん」って思ってたんです。

でもどうやら金持ちから税をとるっていうのは、戦争の頃の名残らしいんです。というのもお金持ちって昔戦争行かなかったんですよ。太平洋戦争でも日本の貴族の人たちは「とりあえず税金収めとくわ」って言って、当時の1円とか2円っていう大金を出して、徴兵されませんっていうのをやってた。じゃあそれができない人は兵隊に行ってたわけです。

つまり戦争に参加しないための税金だったんですよ。高い税っていうのは。でも今日本は戦争していない国なのに、それが続いてるのっておかしくねっていう理論もあるんですよ。

「そう言われるとそうやなあ、じゃあ自分も戦争行ってないのに税金払ってないのってちょっとおかしいよなあ」って思うと思うんですけど、じゃあでもそれで社会ってうまく回っていくのっていう考え方もあるわけですよね。

そうやっていろんな考え方があって、その答えの矛盾や問題点を自分で考えてどうやって解消していくのかっていうのは、問う力と考える力って必ずいるんですよ。

で、このレジュメのもともとの大見出しは「大学での勉強は現代社会でのサバイバルツールになる」なんですけど、そんな力を鍛えてどないするんやって話なんです、これは。勉強する意味が欲しいじゃないですか。本を読むのも勉強するのも大変やから。

じゃあその意味ってなんなんやろうって考えたら、さっきの話になるんです。世の中の大人は好きな仕事をするなんて甘いと言う。それが正解のように、常識のようにみんな言ってる。でも本当なのかって問わないと、そのままイヤイヤ仕事をすることになるんですよ。気づかずに。それが常識だと思い込んで。

第一常識っていうのも、時代時代によっても大きく変わるし、そういうことをちゃんと知っておいて、それを自分の今の立場に置き換えて考えられる力というのは、大学の勉強で身につけられる一番の能力だと思うので、だからやっぱりこれからの時代を生き抜くためにはそういう賢さがいるんです。

別に偏差値がどうこうとかじゃなくて、そういうことを考えられる人が偏差値に関係なく世の中で生き残っていける時代なので。そういうのをぜひ大学で勉強して欲しいなという話をしようかと思っていました。

田鎖先生:今の話なんかはたいへん大切なお話なので、みなさんちゃんと意識しておいて欲しいなと思いますね。

他何か質問ありますか?

あ、どうぞ。

生徒:好きなことを仕事にするってなったときに、それを繋げる役割になったクラウドソーシングっていうのはどういうところで知ったんでしょうか?

鈴木:僕はこれを友達からの紹介で知りました。その友達も、ちょっと変わったやつで、就職活動をリクナビとか…あ、みんなリクナビってわかるんですかね。わ、知ってるんですね。悲しい時代ですね、大学1年生がリクナビを知っている!

……でリクナビとかマイナビとかを使わずに、自分で好きな会社を見つけてきて電話をしたんですよ。「新卒とってますか?」って。「とってません!」って言われたんです。

「じゃあ僕中途でもいいんで、とりませんか!」って営業かけて、直接会いにいって、話して、「中途扱いで良いんで、新卒扱いで育ててなんていらんので、雇ってください」って言って入ったんです。

でもその3年後、経営の中枢の人と考え方が合わなくなってやめたんですよ。辞めた後どこに勤めたかというと、グーグルの日本法人の社長をやっていた人が個人で立ち上げた会社で、その人と一緒に仕事をした。

でも結局その人とも合わないところがでてきて辞めたんです。そこで彼もフリーになったんですよ。で、なんのフリーになったかっていうのも彼の特殊なところなんですけど。町おこしをさっき話したクラウドファンディングの形で盛り上げるっていう仕事をやり始めたんです。

例えば「こんな商品で、特産物のミカンで美味しいジュースを作りたい」って時にお金を集めたいっていう時に、どうやったらお金が集まりやすくなるのかをサポートする仕事をしたりとか、町おこしの仕方とかの講演を全国で開いていたようなやつで。

で、そのまま宮崎の方で「この地域があつい!」といって起業したんですよ。仲間と。それが1年ぐらいやってからメンバーと合わずに会社を離れて、さっき話した高山先生とか、松岡正剛っていう学者…学者なのかなあの人は、なんなんですかね……正体不明の政治家とかからもすごいお金をとってセミナーをするおっさんがおるんですけど、その人と今度仕事をするとかって言ってるやつに、僕はランサーズを紹介してもらいました(笑)。

そんな感じですかね。なので、そういう変な奴と友達になっておくのも大事ですね。彼とは大学時代、藤吉先生の書庫にあるすごい貴重な本を、大きな声では言えないんですけど、コピー機使って全部コピーして一冊の本にするとかっていう遊びをしてました。

本当にアマゾンとかでも手に入らなくて、どこにも売ってない本だったんですよ。「じゃあもう、これコピーしてまおうぜ!」っていうて二部、コピーで本をつくったことがありますね。

(生徒ざわつく)。

そんな学生でした。あ、でもあれですよ、酔っ払って道端で吐いたり、朝起きたら「あれ、ここどこや」とかもやってるんで、アホやりながらでもそういうガリ勉もできるので、大学はいいところですよ。

田鎖先生:ではほか、何か質問ありますか?

生徒:大学時代に資格をとったりはしましたか?

鈴木:してません。僕は教員免許すら1年の前期で諦めましたね。

なんでかというと、けっこう僕は大学に勉強したいと思ってきたところがあったので、僕の感覚からすると教員免許の勉強っていうのはつまらなかったんですよ。

で、「こんなことに大学4年間を費やすのは嫌だな」と思って、やりたいことしかやってなかったですね。

あ、でも、とってました!販売員免許っていうのをとってました。三級ですけど。一番レベルの低い級なんですけどね。サービス業をやりたかったんです。

僕服が好きで、服を売る仕事をやりたかったんですよ。なのでそういう知識もあったほうがいいかなと思ったんですけど、でも二級からちょっと難しくなって、「楽しくないな」と思って辞めました。基本それで全部動いてますね。

田鎖先生:他何か聞きたいことはありますか?

生徒:文章を書く時に、どうやって書こうかなって考えるんですか?

例えば「こういう見出しにしようかな」って考えた時に、書きながら「やっぱ違うな」って思ったりすることもあると思うんですけど、どういう風に文章を組み立てたりとかしてるのかを教えていただけますか?

鈴木:僕が最初にやっているのは、先生の前で言うのもなんなんですけど、論文って、一から順に説明してかないといけないんですね。でもウェブの文章でそんなんやったらクソつまらんでしょう。

「結論まだかよ!」ってなるじゃないですか。じゃあ何から書くべきかって言うと、自分がその文章の中で書くべきこと、伝えなきゃいけないこと、伝えたいことってなんだろうって考える。

次にじゃあそれを証明するためにはどんな要素がいるのかなあって考えるんです。例えば好きなことを仕事にしなきゃいけないっていう結論があったとして、じゃあなんでって話になる。

すると理由がいくつか出てくる。人生100年時代だからとか、好きじゃない仕事をやり続けるのはしんどいとか、っていう理由が出てくるわけです。

これは「ハーバード文章術」とかいう本にも書いてるんですけど、理由を説明した後に結論をもう一度言い換える。こうやってすると「伝わりやすい文章」になりやすいです。

レポートだと怒られるかもしれませんが、そのときは最初の結論部分を省けばOKですね。レポートの場合だと「どうしてこの内容について書こうと思ったんだろう」とかっていうのがあってで、「こういう事情があって、どうやら人生は100年時代になるようだ」ってバーって書いていって、それによってこういう結論になる、っていうのが論文とかレポートの書き方ですけども。

ここまで付き合ってくれるのかわかってくれないんですね、人間というのは。特に文章の場合は、ここで離脱されたらここの部分が伝わらないので。

で、伝える文章を書くというときに、大事なのは「伝えたいことを書く」だから、最初にそれを持ってくるわけです。また、自分も書きたいことを最初に置いておくと、そのおかげで後段がぶれなくなるというメリットもあります。

でも前提から書いていくと、知らない間に話が脱線していって、最後わけのわからないことになるんですよね。だからこの「伝えたいこと」を最初に考えるのが大事だと思います。ほんで、後から論文仕様に組み替えればいい。

こういう項目分けをしていくのは大事だと思います。「この見出しについて書きたいことはなんだろう」と大まかに書いておいて、それをもう一度「なんで?
」で掘り下げる。

ここでもほら!問う力が必要なわけです。なんで自分はこれを書きたいと思ったのか。これに理由としてこれを挙げたのはなんでなんだろうと根拠を掘り下げていくと、根拠としてどんどん強くなっていく。

それを延々繰り返さないといけないのが、卒論とか修論とかのちゃんとした論文。途中でやめていいのがウェブの文章です(笑)そこまで付き合ってくれないんですよね、読者が。いくら調べても。

はい、そんな感じです。

田鎖先生:これは文章を書く上で大切なことで、論文にも当てはまることなんだけれども。

だいたい論文で多くの学生が陥りがちなのが、序文と結論がはっきりしないんですね。

自分が結局何を伝えたいのか、何を明らかにしたいのかというのがぼやぼやっとしたまま書くから、序文でこういうことを論じていきたいというのが曖昧になるし、結論でも曖昧になる。

そこがまずしっかり抑えられてないと出発できない。

そしてそこで出発した後に、そこを証明するためのいろんな資料を調べたりとかっていうのが出てくるわけです。

その点はウェブと論文では文献の数は多分違うんだろうし、論証の過程の密度も違うんだろうけども、それは密度の問題であって、骨格の部分においてはやっぱり必要。

両方共通しているかなとは思いますね。

今の話なんかも文章を書く上では非常に大切なことだと思いますので、意識しておいてください。

他、じゃあどうでしょうね?ないですかね…。じゃあ当てていきましょうか…。

鈴木:テキトーに質問しといたほうがいいぞ。なんでもいいんやから。こうしてレジュメで質問のネタも用意してるんやし…と、これから当たる人にヒントを与えておきます(笑)。

田鎖先生:じゃあ僕から質問しようかな。

好きを仕事にするということが大切だというのはその通りだと思うんだけども、例えばネット記事の文章だとか色々な仕事をしてほしいという人と、書きたいという人があるわけで、ですよね。

それでこういうことを記事にしてほしいと言われた時に、今鈴木くんの場合はもう実績を積んできているので、クラウドソーシング会社からもう仕事が舞い込んでくるという状況なんだけれども、その段階に入っていない人は自分で売り込まないといけないんですよね?

鈴木:最初はそうですね。

田鎖先生:となるとそこで生き残りというか、自分はこれが好きなんだっていう思いがあるんだけれども、文章が全然追いついてこない人。

例えば文章の訓練を全然していないにもかかわらず、これをやりたいと思う人もおそらく相当数いて、そしてその中でも生存競争に負けていって、そのすごく楽しいと思っていた仕事に対しても、うまくいかないっていうこともおそらくは出てくると思う。

で、そのネット記事の世界においても仕事が全然こない人というのも、いるんじゃないんかなと思うんだけど。その辺のシビアな状況っていうのは、どうなのか?

そしてそれに対してどういう心構えを持つのか、ある段階が来たら諦めるべきと思うのか、それともコツコツと頑張れば道が拓けていくのではないかと思うのか、鈴木くん自身はどうなんですか?

鈴木:それがレジュメの表の右側にある、「うまくやろうと思うな」に共通する話だと思うんですけど。

まずその「実力を伴っていない人はどうすればいいのか」っていうところなんですけど、こないだ、本当にいたんですよ。

僕と同じ金額で仕事を受けてて、その人の文章なんですけどって見せられたら、まあ言葉はめっちゃ悪いんですけど、クッソみたいな文章だったんですよ。何を言いたいのかわからないし、やたらと読点、「、」を打ちたがるし。読点については多分思考が途切れたところで読点を打っている。

そのあと誰が読んで、この点をどういうふうに読むのかっていうのを全く考えていない文章だったんですよ。それが俺と同じ単価でやっているのというのはすごく気に入らなかったんですが。

そういう人に対して僕がどういう対応をとったかっていうと、ボロカスに編集段階でコメントを入れたんですよ。

「ここの読点の意図がわからない」とか「ここの論理構造がこういうふうに間違っている」とかっていう添削を受けると、それで本人がどう思うかなんですよ。で、僕が思うのは、好きなことだったらコツコツ続けられると思うんですよ。だって続けてきたことだから。僕の場合は特になんですけど。

例えば僕もボロカス書かれたことがあるんですよ。「当たり前のこと言うな」「つまらん」とか、結論のまとめ部分ってウェブの文章とかって多いんですけど、「まとめがまとめになってない」とかボロカス書かれたことがあって。

やっぱそうすると僕なりに文章好きで続けてきたことだから、悔しいんですよ。
ほんだら、「もっとうまく文章書くにはどうしたらいいんやろう」って絶対考えるんですよ。好きなことやったらそうなる。

でも嫌なことでそんなこと言われたら「いやいやでやったってんのに何言うとんねん」ってなるじゃないですか。だからそういう、好きなことはなにくそって思えるけど、そうじゃないことは「こんなことやってられへんわ」ってなると思うんですよ。

だからそれくらい好きなものをまず見つける。それに食らいついていったら必ず結果は出るんで。頭で考えるし。この好きなことを続けるためにはどうしたらいいんやろうって。そしたら絶対成長していくんですよ。

一番やばいのは、「俺すげえから」で止まるのが一番やばいです。俺を評価できないやつなんてクソだって言い始めると、どんなに好きなことでも自己満足でしかなくなる。あくまで社会にアウトプットして、そこで評価されて価値を持つんで。

価値持って欲しくない、価値判定して欲しくないって言うなら、アウトプットすべきじゃない。それを続けていきたいんだったら、アウトプットして評価を受けて、否定をされて何くそって思って、どうしたら評価されるんだろう、うまく書けるんだろうって言うのを考えるのが一番大事だと思います。

その僕がボロカスに書いた人は、そのままその案件から離脱したので、努力できなかった人だと思うんですよね。いや僕はこういうこだわりで書いているのに、って言う人なんですけど、僕からすると「そのこだわりが伝わってへんねん」っていう話なんですよね。

だからその、伝える伝えない、特に文章におけるそれっていうのは、伝わらなきゃ意味がない。相手の評価が全てなので。それをどう伝えていけるか、自分の大事なものを相手に譲らずに、相手に自分の伝えたいことを伝えられるようにって努力するのは、多分どの仕事でも重要になるのかなあと思います。

それをしていない人は自分の強みとかも伝わらないし、強みが伝わってこないと、その人を使う人はどう使っていいかわからない。そしたら結局仕事ないってなるわけですね。

なのでやっぱりそこで大事なのは、どうしたらいいんだろう、こうやったらできるかなあという、問う力と考える力だと思う。

それがない人はやっぱり働いていても楽しそうじゃないうえに、自分の状況を客観的に問えないので、そのまま甘んじて、やたらと会社の愚痴を言うだけの人生になりがちです。まあそれも結構楽しいんですけど。

現状に甘んじて、悪いことだけ批判して、酒飲んで酔っ払って忘れて、次の日同じことを繰り返すのも、人といえば人だし。それも楽しいと思うんですけど、それを楽しいと思えないならやるべきじゃないと思っています。

はい、そんな感じでしょうか。

田鎖先生:ほか、ないですかね?

そしたら時間がそろそろなので、鈴木さんとの質疑応答はこれで打ち切りとしたいと思います。

残り時間は今日の話の内容からの学びなどを紙にまとめて書く時間にします。
じゃあ、鈴木くんはここで終わりの挨拶をお願いします。

鈴木:はい。わかりました。

えっと…興味のあることを大学時代は追求してください。そしたらきっと楽しい4年間になるし、その後の人生も楽しめるんじゃないかなと思います。

今日一応僕の連絡先等が書いてある名刺があるので、何か個人的に聞きたいとか、大学の生活のことでもいいので、あれば名刺持っていってください。

以上です。

今日はありがとうございました。


この仕事楽しいので、また来年もやりたいなあ。