更新が二日も遅れてしまった。季節の変わり目で気分がすぐれない日が多く、文章がまとまらなかった…。
今回はこれまでだいたい4年くらい?クラウドソーシングをやってきて「こういうクライアントは後からろくなことにならなかった」という話をしてみたい。

まだ一文字も原稿を見ていないのに「継続を考えている」って言ってくる

このタイプのクライアントはクラウドソーシングのライターは「継続」に弱いと思っている気がする。そしてこういうクライアントには「継続を人質に単価を低く設定する」というやり方をするところも少なくない。悪い言い方をすれば足元を見ているわけだ。

確かに最初クラウドソーシングを始めた頃は「次が約束されている依頼」というのはありがたかった。スケジュールも組みやすいし、何より収入が担保されるからだ。今もそうした不安がないわけではないが、新規の依頼を「継続」だけを理由に受けようという段階ではなくなっている。

条件が良ければ「はあ……」と言って引き受けるが、たいてい何度かやり取りしているうちにフラストレーションが溜まるパターンが多く、最終的にこちらからお断りすることになる。

連絡取り始めてソッコー「直接取引きできませんか?」と規約違反持ちかけてくる

「最近クラウドソーシング始めました」みたいなクライアントに多い、絶対にやってはいけない規約違反である。このタイプのクライアントの場合「直接取引ならいくらでできます」とか言って、やや高めの報酬を設定してくることが多い。

こういう人たちはクラウドソーシングサービスを提供している会社をバカにしているし、そもそも自分たちがそのプラットフォームを利用しているという事実すら忘れている。

こういう失礼で非常識な輩はきっと平気で映画の海賊版とかも見るのだろう。面と向かってコケ下ろすと角が立つので、やんわり直接依頼は断って一度クラウドソーシング上で仕事をし、二度と依頼を受けない。

こっちの専門分野でもない原稿なのに何の修正も注文も入らない

「原稿わからない」「原稿読んでない」パターンのクライアント。もしかすると僕の書く文章が素晴らしすぎるのかもしれないが、「修正も注文もない」のではなく「修正すべきこと、注文すべきことがわからない」か、「そもそも原稿なんかどうでもいい」と思っているのである。羽振りが良いクライアントもいるが、こういうクライアントと仕事をしていてもあまり次に続かないので、その点は覚悟しつつ仕事をした方が良い。

原稿の修正が紙をスキャナで取り込んだPDFだ

こちらは逆に玄人すぎるパターン。校正担当者などが紙媒体出身で、PCでの修正作業ではなく、紙を使って修正するのである。このこと自体が悪いと言っているのではなく、こういうことをする人に「ややこしい人」が多いという話だ。

文法の間違いとか事実関係の間違いなら、こっちも素直に修正する。しかしこういう人は「なんか違う」「◯◯って感じに修正」とか平気で書いてくる。後者ならまだしも、前者に至っては修正のためのヒントさえない。

「なんか違うってなんやねん」とはビビっていえないので、当てずっぽうで修正すると「わかってない」みたいなリアクションが返ってくる。結果あてもない修正作業が続き、お互いが消耗していくのである。確かにすごく勉強になることも多いのだけど、「嫌な予感」には違いない。

1記事1,000文字が3,000円なら1記事2,000文字は6,000円だと思っている

「お前文章書いたことあんのか」というタイプのクライアントの特徴。ライターとして文章を書いたことのある人、あるいは真剣に大学のレポートに打ち込んでいた人ならわかるだろうが、2,000文字の文章を書く労力と1,000文字の文章を2本書く労力はイコールではない。

僕の感覚では読後感だけでなく納得感もきちんとある文章を書く場合、1,000文字でだいたいネタを3つ仕込む必要がある。1,000文字をネタ1つで書くと希釈し過ぎたカルピスみたいな文章になるし、2つでも(書くべきことがあるならいいが)多少もったいぶった書き方になりやすい。かといって4つだと1つ1つの内容が浅くなるので「なんか読んだ気分」にはなるが「何かを得た気分」にはならない。だからだいたい1テーマにつきネタは3つないし2つということになる。

しかし2,000文字になると選択肢が一気に増える。単純にネタを4〜6つに増やしてもいいし、ひとつひとつを掘り下げる余裕があるから3つにしてもいい。あるいは1,000文字ずつに大きく2つに区切り、その中に小さいネタをいくつかちりばめるという作戦もある。

これをあたえられた、あるいは探してきたテーマに沿って適不適を判断し、そこから情報を精査して肉付けの作業に入る。僕は「ネタが仕込めたら6割終わり」と思っているクチなので、逆にいえばネタを仕込むのが大変な場合はそれだけコストがかさむ。

だから単純計算で倍の金額を提示されると、「いやいやなめんとんのか」となる。「文章なんか誰でも書けるけど面倒だから外注してる」みたいなクライアントは、あとあと意味不明な修正や注文をつけてくることが多い。僕にとっては直接契約を持ちかけてくるクライアントくらい嫌な予感のするタイプである。

こちらが提示した参照元URLを確認していない

このタイプのクライアントは単純に嫌いだ。こっちがいくら懇切丁寧に「この部分はこのURLのこの部分」と指定したところで「典拠は?」とかのコメントをよこしてくる。もうどうしたらいいのか。別にすでに書いているから注釈をコピペして「こちらをご参照ください」とコメントすればいいのだが、その労力が無駄すぎる。こちらの時間を平気で犠牲にするクライアントは危険だ。

プラットフォームでの手続きが遅い

僕が利用しているランサーズの場合、「依頼(クライアント)→承諾(ランサー)→エスクロー入金(クライアント)→作業・納品(ランサー)→校了(クライアント)→完了報告(ランサー)→支払い(クライアント)」の順で仕事が進む。メッセージフォームやチャットでやりとりしているのに、いざ書き始める段になってこれらの手続きが全く進まないクライアントがいる。年単位の付き合いがあるならまだしも、1回目とか2回目で「エスクロー入金」とか「支払い」が遅いクライアントは絶対ダメだ。

第一にこちらの気持ちを全く斟酌していない。顔が見えないやり取りは信頼感が7割くらいを占めている。そしてその信頼感の5割以上は「お金関係をきっちりしているか」が占めている。どんなにいいクライアントでも、支払い関係がテキトーなところは、大抵他のところもテキトーだ。そんなところと仕事をしていたら痛い目を見るのはこっちだろう。
第二に多分、仕事ができない。自分がクライアントとして利用したことがないからわからないが、おそらくこの一連の作業は面倒くさいが大した作業ではないはずだ。それをさっと処理できないというのは、どう考えても仕事ができない人間だということだ。現に某大手企業のクライアントはこちらが慌てるくらいに対応が早い。この企業とやり取りするたびに毎回「大企業病とかいうけど、いうても大半の中小企業マンよりは仕事できるんよなあ……」と思ってしまう。

メール送ってきてすぐ電話かけてくる

締め切りの近づいている別のクライアントの原稿を書いている途中に、スマホが鳴る。チャットサービスの着信音なので「この原稿がひと段落したら確認だな」と頭の隅で思い、急いで書く。すると電話がかかってくる。僕の携帯に電話をかけてくるなんて誰だろうと思って見てみると、クライアントである。出ると「先ほどのメールなんですが」と始まる……。

見てねえよ!メール見たらすぐ返信するよ!見れない状況だから返信してないんだよ!急ぎの用事ならまだいいが、なんだかもう癖みたいに「メール即電話」を徹底している人もいる。やめてくれ。

こういう人は他の仕事もばたついていることが多い。締め切り3日前の仕事を持ってきたりとか、昼過ぎに修正指示を送ってきて「今日の夕方までにお願いしたい」とか言ってくる。必要以上に精神を消耗するので、あんまり仕事したくない。

「嘘」をつかせる

ものは書きようである。書き方を変えれば善悪が入れ替わることだって、世の中にはある。しかしそれも世界の一面なのであって、嘘ではない。僕はそう思っている。しかし事実と反していることを書くのなら、それは嘘だ。昨日カツ丼を食べたのに、「お前昨日カツ丼食べたろ」と言われて「食ってない」と言えば嘘なのだ。

驚くことにこれをやってくださいというクライアントもいる。とあるサイトのとあるランキングを、丸ごと上下逆にしてくださいという注文だった。ライターを初めて2ヶ月ぐらいしたころで、確か文字単価は0.5円だった。しかし当時の僕の文字単価は0.25円とかだったので、喜んで飛びついたのである。しかし蓋を開けてみると、そういう注文だったのだ。

確かにランキングも書き方によっては全く違うランキングになる。しかしそのサイトのランク付けはあまりにも全うだった。1位は非の打ち所がないし、最下位はツッコミどころしかなかったのだ。ただ一度引き受けた仕事なので、嫌な汗を書きながら必死に嘘をつき、事実を伏せた。あんなに辛い仕事はいまのところない。

嘘をつく人が平気なら構わないが、苦手な人は一度引き受けたかどうかに関わらず断った方がいいだろう。このクライアントからも継続依頼はきていたが、にべもなく断った。

こんな感じで「こういうライターは困る」とか「鈴木さんのここが困る」みたいな情報あったらバンバン欲しいんだけどなあ。なんかこう、黙ってフェードアウトされるのが一番嫌だわ。和をもって貴しとなすな日本では、あんまり言わないもんなんですかね。