僕はあまり食事に興味がない。

美味しいものを食べるために行列に並んだり、スーパーに並んでいるものの何倍もするような肉とか野菜を買ったり、高価そうな場所ででっかいお皿にちょこんと載った高価そうな料理を食べたり、そういうことには興味がない。

美味しいものは好きだし、高い食材や料理が値段相応に美味しいことも、まあある程度は知っている。

ただ僕の「最高の食事」の基準は「丁寧にとった出汁で作ったつゆで食べる冷凍うどん」とか、「水も料理酒も使わずに素材の水分だけで煮込んだスーパーの白菜」あたりで頭を打っている。

だからそれ以上美味しいものが来ても「まあ別に冷凍うどんでもいいかな」とか思ってしまう。

もちろん誰かと一緒にとる食事には、食事以上の価値があると考えているが、やっぱり食事自体についてはその価値をイマイチ理解できていなかったりするのだ。

そんな調子だから、気分が落ち込んで鬱っぽくなると極端に食事をするのが面倒になる。

心療内科にかかって薬をもらっていた時期のように、何を食べても砂利を噛むような感覚にまではならないものの、何かを食べるくらいなら横になっていたいという気持ちが先行する。

以前はその気持ちに身を任せて一日中ほとんど何も食べない日があったりもした。

ひどい時は丸二日飲まず食わずだったこともある。

それくらい、僕は食事に興味がない。

だがここ数年で、どんなにしんどくても栄養状態だけは常に充実しているようになった。

精神的に健康的な食事ではないかもしれないが、肉体的にはそんじょそこらの健康食レストランよりも健康的だったりする。

僕はこれをひとえに筋トレのおかげだと思っている。

プロ・ボディビル大会の最高峰「ミスター・オリンピア」の初代チャンプ、ラリー・スコットは自分が成功した秘訣として「食事8割、運動2割」と語ったという。

それくらい体づくりには食事が重要だ。

どんなにハードにトレーニングしていても、食事で十分な栄養素をとらないと筋肉がつかないどころか、落ちてしまう。

できあがるのは単に痩せただけのみすぼらしい体だ。

別に筋トレをして誰かに見せようというわけではないが、どうせハードにトレーニングするなら自分で見て納得のいく結果が欲しい。

だから僕は「筋トレのために食べなくてはならない」。

この「筋トレのために食べなくてはならない」という意識が、鬱状態の僕を食事に向き合わせる。

「義務で食べるご飯なんて美味しくなさそう」と思う向きもあるだろうが、僕の「最高の食事」の基準は低いのでそこそこ美味しければ何でも十分美味しいし、毎日ほとんど同じものを食べても苦にならない。

例えば僕の最近の食事は概ね以下の献立で構成されている。

<朝食>

・1:2=玄米:白米の比率でまとめて一升炊いたご飯0.5合 →圧力鍋で炊いているので、安いコメでもそこそこ美味しい。

・全卵2個 →1日のうちトップクラスの脂質源。味付けは気分によって変わる。

・BCAA →バリン、ロイシン、イソロイシンという分岐鎖アミノ酸で構成されるサプリメント。効果はよくわからんが、味が美味しいので朝飲む。タンパク質換算で5g。

<昼食>

オートミール80g →4倍量の水で炊いて、中華の素とかだしの素で味付け。これは本当に美味しい。

・豆腐一丁もしくは鶏胸肉150g →豆腐の場合は適当に手で崩してオートミールと一緒に煮る。鶏胸肉は最近フードプロセッサーでミンチにして鰹節の粉末と生姜、白ネギ、パン粉、醤油と一緒に混ぜた鶏ハンバーグとして食べることが多い。フープロ便利。

・なんか適当に野菜 →その時々に冷蔵庫にある野菜を炒めるなり、煮るなりする。場合によっては作り置きの野菜のおかずを食べる。

<間食>

・全粒粉パンケーキ →全粒粉100g、低脂肪乳150ml、ふくらし粉だけで作る。もともとオートミールをフープロで破砕した粉末を使っていたが、正直あんまり美味しくないうえに手間がかかるので粉を変えた。はちみつや砂糖不使用のジャムで食べる。

プロテインシェイク →全部で48gのプロテインを水で飲む。

・ミックスナッツ15〜20g

・干しイチジク10〜20g

<夕食>

・朝食べたご飯を0.5合

・鶏胸肉150g

・なんか適当に野菜。

三大栄養素はともかくビタミンやミネラルが不足しそうな食事内容だが、毎食ディアナチュラの「マルチビタミンミネラルSTRONG」と「カルシウム・マグネシウム亜鉛」を規定量飲むことでカバーしているつもりになっている。

正直三大栄養素をしっかりとるのでいっぱいいっぱいで、ここからさらに野菜を必要量食べるのは胃袋的・モチベーション的に無理がある。

摂らないよりはマシだろうから、サプリメントでとることを選んだ。

この食事を元気な時も、元気がない時も続けているので、もし調子が悪くなっても「食事が原因ではない」ことだけはすぐにわかる。

仮に食べる量が減っていてもすぐにわかるので、「これくらい食べればいつもと同じ」という目処もすぐにつく。

食事が大好きな人にとっては鬱になるような内容かもしれないが、僕にとっては驚くほど精神のコンディション管理に役立っているのだ。

だから本当に「筋トレをしていてよかったな」と思う。

もし筋トレをしていなかったら、今も漫然と絶食したり、あるいは暴食したりして、食事が原因でコンディションを崩すことも多くなっていただろう。

怪我で中断していた筋トレも、昨日から再開した。

メニューも大幅に見直し、今まで1回1時間かけていたところを30分程度で終わるように種目数やセット数を減らした。

オフは8月の週3〜4日より少ない2日になったが、有酸素運動も減らすし、メイン種目に自重種目を設定しているので、毎日の疲労度は総じて低下するはずだ。

これからも筋トレはずっと続けていきたい。

やりすぎや無謀にならないよう、しかし目標は過剰に。

ゆっくりじっくり強くなっていく。

食事はやっぱりそのための「作業」だなあ……。